2007年 10月 02日
第4章 第28話 |
背筋が寒くなってきた。自滅の道がこんな人の手にあったとは。
「自然の営みに人類がそこまで強引に関与してもよいのでしょうか。」
「まあ、七海さんあなたの言葉とは思えないご質問ね。いま、地球がおかしくなっているといっているのはあなたではないのかしら。
この地球に外科的治療を施せるのは人間しかいないのよ。石っころのかたまりにすぎない地球には、意思もなければ、自身をどうしようということも出来ないのよ。人間が住みやすいようにコントロールしてあげる必要があるのよ。今までもそうしてきたし、これからもそうして、人類の土台として存在していくのよ。」
「お言葉ですが、地球は生きてます。それは人間の勝手なエゴではないですか。それに、もしかしたら、火山を噴火させるのに核兵器を使用するおつもりではないでしょうね。」
「・・・! あなた、そんな話をどこで仕入れてきたのかしら!
そういえばあなたは、うわさによれば、人の心を読めるらしいわね。あなた、取材といいながらスパイ活動をしてるのね。
どうも、あなたのお父様とあなたの行動は不可解よ。あなたたちは、人類を宇宙に追い出して、地球を乗っ取ろうとしてるんじゃないかしら。以前からそうだと思っていたのよ。そうはいかないわよ。警備兵、この女を取り押さえて!」
「そんな、私は想像でいっただけよ。あなたの被害妄想よ。」私の反論に、アレス社長の目には怒りが増していた。
「いいから、捕まえて。こんな女を生かしておいてはろくなことはないわよ。世間を混乱させる魔女だわ。そうよ、あなたは魔女よ。私が人類のために処刑して差し上げるわ!」
アレス社長の顔が悪魔のように変化した。
続く
by susabi77
| 2007-10-02 11:23